年末調整で忘れがちな控除は?期限に間に合わなかった場合どうなる?

 毎年この季節になると人事や経理から連絡があってバタバタと対応する年末調整について、どんな控除を年末調整で申告できるのか、抜けやすい項目、期限に間に合わない場合はどうなるのかといったことを説明します。この記事ではひとつひとつの控除の詳細については触れず、項目や流れの概要について書いていきます。

年末調整で申告できる控除

年末調整控除一覧

↑年末調整で申告できる控除はこんなにたくさんあります。(PDFはこちら)

参照:国税庁HP 令和4年分 年末調整のしかた
   国税庁HP タックスアンサー No.1100 所得控除のあらまし

抜け・漏れが発生しやすい控除

社会保険料控除

社会保険料控除は、年末調整を行う勤務先で給与から控除されたものだけであれば何もする必要はありません。勤務先が計算して年末調整に反映させてくれます。しかし、それ以外に当年に以下のようなものを支払っていれば申告しておきましょう。

勤務先の社会保険に加入していない期間(国民年金・国民健康保険に加入していた期間)があり保険料を支払った場合
過去の未納分、免除分、猶予分(学生納付特例含む)を追納した場合
同一生計の親族の保険料を支払った場合(大学生の子どもの分など)

小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除で申告が抜ける可能性があるものは、ズバリ「iDeCo」です。2022年10月より企業型DCに加入されている方の「iDeCo」加入要件が緩和され、新たに「iDeCo」を始めた会社員の方も多いはずです。「iDeCo」の所得控除は小規模企業共済等掛金控除で適用されます。忘れないようにしましょう。

地震保険料控除

一見、抜けが発生しそうな項目には思えませんが、賃貸にお住まいの方で家財を対象とした地震保険に(火災保険とセットで)加入していることを忘れていたり認識していなかったりすることがあります。人事時代の経験上、賃貸に住んでいて地震保険料控除の申告をしてくる人はほとんどいませんでした。実際に加入していないケースが多いと思いますが、賃貸の更新と同時に保険料を払い込んでいるのに申告していないケースも一定数あると思います。もったいないので確認してみましょう(また、地震保険が不要であれば次回更新で外しましょう)。

給与天引きの生命保険料

給与天引きで保険料を支払っている団体扱いの生命保険がある場合、個人へは控除証明書が送付されず勤務先が保険料控除の金額を記入してくれるパターンが多いですが、保険料控除申告書に反映されているか、提出前に確認しておきましょう(控除証明書が届いた場合、自分で記入するパターンの場合があります。反映されていないものがある場合は勤務先に確認しましょう)。

所得金額調整控除

所得金額調整控除の要件に含まれる「年齢23歳未満の扶養親族」には扶養控除の対象とならない「16歳未満の扶養親族」も含まれます。また「扶養控除」とは異なり、一人の扶養親族に対して夫婦双方が所得金額調整控除を受けられます(「扶養控除」においては、一人の扶養親族を夫婦どちらかの扶養にしか入れられませんが、所得金額調整控除の適用可否の判定においてはそのような制限はありません)。簡単に言いますと「夫婦二人とも給与収入850万円超の会社員で、0歳のお子様一人を共同で扶養している」という場合、その0歳の扶養親族一人の存在により、夫婦双方が所得金額調整控除を受けることができます

勤務先の締め切りに間に合わなかったらどうなるか

年末調整の書類提出には勤務先によって期限が設定されています。必要書類の入手が期限に間に合わなかったり、期限後に扶養等の状況が変わった、誤りに気付いたといった場合、どうしたらよいのでしょうか。

再年末調整

期限が過ぎていても修正可能か、勤務先に確認してみましょう。源泉徴収票は12月給与支払後に発行される会社が多いと思いますが、ルール上は翌年1月末までに発行することになっています。そのため、年末調整のやり直し(再年末調整)も理論上は1月末まで可能です。ただし、1月末までに勤務先は税務署や市区町村に年末調整が完了した状態のデータを提出する必要があるため、1月末ギリギリに修正を申し出ても対応できません。気が付いた時点で相談していつまでなら対応可能か、確認しましょう。

確定申告

勤務先での年末調整が終わり、再年末調整もできない時期になってから申告内容を修正したい場合、年末調整後のデータはもう税務署や市区町村へ提出されてしまっていますから、勤務先経由での修正はできません。その場合は、2月16日から3月15日までの間に居住地を管轄する税務署へ「確定申告」してください。年末調整の内容が誤っていても、「確定申告」をすることにより上書きされ、年末調整時の追徴・還付との差額は精算されますし、6月からの住民税も「確定申告」の内容を反映して決定されます。

控除は漏れなく申告しましょう

年末調整は面倒くさい…そう思っている方が多いかもしれませんが、会社員が徴収された税金を取り戻すことができる大切な手続きです。控除漏れがないよう、再度点検してみてはいかがでしょうか



※税務についての詳細は、所轄の税務署・税理士へご確認ください。

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