サラリーマンも資産が多い方が有利
「サラリーマンはなぜ宝くじを買うのか」の続きです。
「サラリーマンとして成功するためにも資産が多い方が有利である理由」については前回の記事でも簡単に触れましたが、会社に生活を依存していないため、言いたいことが言えるし比較的やりたいことを自由にやれるからです。そう考えると、資産を持たない人が資産形成していくのは目に見えにくい不利がたくさんあるということでもあります。
同じ会社に同期として新卒入社した社員が二人(Aさん、Bさん)いるとします。二人とも学歴や能力は同じくらいだとしましょう。Aさんは資産家の子で会社を辞めても食べていくのに困る心配はなく、純粋にやりがいや成長を求めて仕事をしています。Bさんは貧困家庭の子で、奨学金の返済をしながら親に仕送りをしなければならず、収入が途絶えると親も含めて生活が成り立たなくなります。
最初の数年は若手社員として同じようなキャリアを歩みますが、入社数年後から徐々に二人の行動は変わっていきます。Aさんは評価や自己成長につながらない仕事はできるだけ断ります。チャレンジングな目標を掲げ、リスクを恐れず困難な案件にも取り組みます。一方のBさんは会社に求められる仕事は何でも受け入れ、一生懸命取り組みますが、失敗して評価が下がったり会社に居辛くなるようなリスクがある案件には手を出したがりません。その結果、Aさんはよい経験を積み、実力も上がって会社からも評価されて出世していきます。その気になれば好条件で転職もできますし、ヘッドハンティングの話もあるかも知れません。Bさんは何とか平均的な社員としての評価を受けますが、年々会社にしがみつかなければならないという依存度が上がっていきます。
そんなBさんが唯一夢を託すのが宝くじです。奨学金の返済や親への仕送りで思ったように資産形成はできません。少しは給料も上がりましたが、親が病気がちになってきたこと、弟や妹には奨学金で苦労して欲しくないので、学費の援助もすることになったこともあり、仕送りの額が増えていました。そこで、一獲千金の夢がある宝くじを毎回10枚、3,000円分だけ買っています。宝くじが「愚者にのみ課される税」と揶揄されていることも、事実上当せんする確率は0に等しいことも知っているのに、です。Aさんは「なぜ非合理的な宝くじなんて買う人がいるんだろう?」と不思議に思いながら上がった給料で資産運用を始め、着実に資産を増やしていきます。
そこから先、さらにAさんとBさんの明暗が分かれていくことは想像に難くありません。Bさんは働き続ける限り生活が破綻することはないのですが、大きな夢を見ることはできず、一生周囲の顔色をうかがいながら会社にしがみつく暮らしを続けるでしょう。Aさんは「努力」と「チャレンジ」により自らの人生をより高いステージに引き上げていくでしょう。
このストーリーは分かりやすくするためにかなり誇張してバイアスをかけまくった恣意的なものです。現実はそこまで単純ではないし、全てが生まれで決まるというわけではありませんが、資産が多い方がサラリーマンとして生きるとしても有利であることを示すために書いてみました。「Bさんももっとチャレンジすべき」という意見も正しいのですが、そうできるかどうかには多分に抱えている要素の違いが作用するのはどうにもならない現実だと私は思っています。
長くなってきたので今日はここまでにします。次回は「AI化が進むことでサラリーマンは楽になるか」について書こうと思います。サラリーマンの未来予測となる次回でこのシリーズはいったん完結させます。
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