2024.1.27「第二回 かどのいえ 金融教育座談会」
去る2024年1月27日、「第二回 かどのいえ 金融教育座談会」にお招きいただき「年収の壁とは?夫婦の働き方を考える」というテーマで制度解説(セミナーパート)を担当し、座談会にも参加してきました。当日の参加者は現地3名、オンライン1名の予定でしたが、当日の体調不良で現地参加者が2名欠席となり、実際には現地1名オンライン1名の計2名でした。
セミナーパートでは1時間20分程度、私から「年収の壁」とは何かについて、税と社会保険の分野を横断的に解説し、試算例からの説明も含めて込み入った制度の概要をつかんでいただきました。とにかくテーマ自体が難しいので短時間で全部を理解していただくのは無理だったと思いますが、重要な壁が何なのか、影響する要素は何なのかといった辺りはお伝え出来たと思います。企業の社保担当者だった経験から、健保の実態とか面白話も織り交ぜましたが、そのあたりは参加者限定ということでこの記事では内緒にしておきますね。
後半の座談会パート(1時間少々)では、制度の詳細についての質疑応答というよりは、そういったことを踏まえた上で今後どんな風に働いていきたいか、という話がメインとなりました。「年収の壁」を理由に社会保険上の扶養でいられるように就労を抑制するという発想は、本当にやりたいことを仕事にしている人であればあり得ない発想で、「時間の切り売り」的な働き方をしている人の発想ではないか、そういう働き方は「人的資本」を成長させないので良くないのではないか、など「働くことの本質」に迫るような議論も多く出て有意義な場となりました。
固い話だけではなく、「残業が多くて大変…、どうしたらいい?」とか、少しずつ世代が違う参加者たちで「子どもの頃からのガラケーの進歩」について語り合い「時代の変化は年々速くなっていて、新しいテクノロジーを使いこなしていかないと、自分たちも“老害”といわれてしまう日がくるのでは?」なんて意見が出たり、雑談のような話題でも参加者の意識の高さが垣間見え、私も含めて参加者同士が刺激し合う場にもなったと思います。
私の学び
今回の経験は大変勉強になりました。まずは、諸先輩方からも何度も言われていたことではありますが「セミナー1回で伝わる内容は僅か」ということです。説明を詰め込んでも頭に入らないので、セミナーの目的は何か、最低限何を伝えたいか、といったことをより明確に意識するべきで、「“良いセミナー”“完璧なセミナー”を作ろう」という提供側本位の姿勢は自己満足に過ぎないということです。
もうひとつは、「座談会方式」の良さです。講師が前に立って、スクール形式で受講生が座っているというようなレイアウトであれば、受講者の半数は途中で眠ったことでしょう(それは言い過ぎ)。しかし同じ机を前にして座り、オンライン参加者も含めてひとりひとりと目線を合わせ、直接の問いかけを交えながら進めていきましたので、(どの程度頭に入ったかはともかく)参加者の方は飽きたり眠くなったりすることはなかったと思います。随所で全員に質問を投げかけて発言してもらう、というやり方は少人数でなければ難しいですので、これは「座談会形式」の良さだったと思います。
また別のテーマで、とか同じテーマで再開催という構想もあるので、今回の学びを活かして、より有意義な座談会を行えるよう精進していきたいと思います。関係者の皆様、参加者の皆様ありがとうございました。